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EasyWine の頒布を休止します

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タイトルの通りですが、近々 EasyWine とその他派生物の頒布を休止します。再開次期は未定です。これに伴い過去の関連記事も順次終了していきます。

若干愚痴混じりなので気にされる方は読まずにブラウザを閉じることをおすすめします。

現状、macOS Catalina では Wine はまともに動きません。前々から次期 macOSでは 32-bit アプリケーションが廃止されると言われていましたが、それを認識していない方が多く、正直なところ煩わしい問い合わせが増えました。そもそも EasyWine の 64-bit 対応は Windowsアプリケーションを対象にしている話であって macOSを対象にした話ではありません。macOSはもうかなり前から 64-bit で動いています。

EasyWine を頒布することによってある程度の人が「素の Wine」に触れることなく Windowsアプリケーションを使っていたと思います。Wine を気軽に使えるように敷居を下げられたことは嬉しいですが、その反面、ユーザが素の Wine と直接向き合う機会を奪ってしまったとも思っています。もしかしたら EasyWine から使い始めて「今では自分で Wine をコンパイルしている」という方もいるかもしれません。

「ソフトのエンドユーザなんて根幹部分の開発している人の苦労なんざ知ったこっちゃないでしょ」というのが一般的な意見だと思います。自分も子供のときはそうでしたし。しかしこれでは Wine チームや CodeWeavers の方々に利益が生まれないですよね。素の Wine を使っていればバグレポートとかを送ってプロジェクトに貢献したりもするでしょうが、EasyWine を使っている場合はバグレポートどころか不満や文句を言われて終わりです。

いまの macOSは Homebrew があるし、昔ほど Wine の導入は困難ではないでしょう。実際、この前の検証では 30 分もあれば終わりました。何かあっても Homebrew のフォーラムでサポートが受けられるでしょう。

Miku Installer、Wineskin、Winebottler などなどいろいろな派生アプリケーションが生まれては開発が止まっていきました(久々に見たら Winebottler 更新されてた)。EasyWine も NXWine の頃から数えるともう 6 年以上ですかね。一般的なソフトウェアの開発と言えるような立派な開発はしてきませんでしたが、個人で無償でやっていくにはモチベーションも上がらないのでもう手放していいような気がしてきました。

最新のソースコードは下記に置いてあります。Xcode 8.3.3 が扱える Mojave 以前の macOSなら依存関係のソースコードやツールを集めればどの環境でもセルフビルドできるはずです。

github.com

先日発行した同人誌の中から、Homebrew のインストールから Wine のインストール、簡易的な文字化け対策までの部分を無償公開しておきます。

f:id:mattintosh4:20191023190932p:plain
Homebrew のインストール

f:id:mattintosh4:20191023190948p:plain
Wine のインストール

何らかのかたちで利益を得られるようであれば頒布を再開するかもしれませんし、技術書典やコミックマーケットなどのイベント限定で頒布したりするかもしれません。

今後は CrossOver や Homebrew の利用をご検討ください。


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